Sweet Heart
 


問題あるか…って、問題大有りじゃ!



「じゃあ、兄ちゃん行ってくるから親父の面倒頼むぞ」


「うん!行ってらっしゃい!」



しかし私のツッコミを完全に無視し、榎本喜一は何食わぬ顔で真智ちゃんと話してリビングから出て行った


そんな榎本喜一を私はすかさず追いかける



「ちょっと!こんな夜遅くに真智ちゃん達を置いてどこ行くつもりよ!?」


「どこって、これから走りに行くんだよ」


「はっ、走りに行くって…何でこんな時間からジョギングなんか…」



一向に立ち止まる気配はなく、そのまま靴に履き替える榎本喜一


私はまだ小さな真智ちゃん達が心配でリビングと榎本喜一を交互に見る



何でこんな夜遅くに真智ちゃん達を置いてジョギングなのよ!


しかもそんなド派手な格好で…正真正銘のバカだわ!




すると…



「ぶはっ!走りに行くってジョギングじゃねぇよ!」


「へっ…?」


「こいつに乗って街中を走るんだよ」



榎本喜一は私の言葉に大笑いし、わけのわからない私にある物を見せて"走りに行く"の意味を教えてくれた



それは…



「俺様自慢のブラックタイガーだ!」


「…ぶ、ぶらっく…たいがー?」



榎本喜一が得意げに見せたのは真っ黒で大きなバイク


いかにも暴走族が乗ってそうなバイクだった



「ネーミングセンス…ださっ!」


「なっ!ダサくねぇ!格好良すぎだろ!」



そんな榎本喜一自慢のバイクを見た私は思わず率直な感想を述べてしまった



バイク自体は格好良いけど…名前がダサい…




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