Sweet Heart
「葵君は私のこと何もわかってない…。
私は葵君ともっと仲良くなって一緒に学校の行事を楽しみたいんだよ。
それなのに興味がないとか面倒くさいだなんて寂しいこと言わないで…」
ずっと寂しかった…
私はもっと葵君と一緒にいろんなことをしたいのに
「興味がない」「面倒くさい」…そう言われる度に距離を感じてた
葵君にとって私の存在なんて迷惑なものかもしれない…
それでも私はただ葵君に近づきたかった
「…ごめんなさい。私、蘭さんを追いかけてくる…」
これ以上、葵君の顔を見て話すことができず、私は逃げるように部屋を飛び出した
「蘭さん、居た!」
マンションの近くにある公園を通りかかると、寂しそうにブランコをこぐ蘭さんの姿を発見した
「蘭さん、探しましたよ」
「真智ちゃん…」
私が蘭さんに声を掛けると、蘭さんはゆっくり顔を上げる
そんな蘭さんの瞳は泣いていたせいか充血していて、目も少し腫れていた
「何があったかよくわかりませんが、大丈夫ですか?」
見るからに大丈夫そうには思えなかったけど、私は蘭さんの隣にあるブランコへ腰を下ろして、蘭さんに話し掛ける
すると蘭さんは私を見てなぜか微笑んだ
「真智ちゃんこそ、大丈夫?」
「えっ?」
「目が私みたいに腫れてる。葵と何かあった?」
そう言って私の目を指差す蘭さん
どうやら私も泣いていたせいで目が腫れているみたい
それが何だかおかしくて、私と蘭さんは顔を見合わせて苦笑する