Sweet Heart
「私、約束したの!」
「…約束?誰と何を約束したんだ?」
私は机を叩き、大声でお父さんと五十嵐さんに向かって言った。
そんな私の声に驚いたお父さんは微笑しながら聞いた。
「…誰かわかんない。けど昔、同い年位の男の子とお嫁さんになるって約束したの!」
誰かなんてわからない…。
顔も覚えてない…。
だけどここ最近、昔に約束を交わした時のことが夢に出てくるんだ。
きっとあの男の子は私を探してるはずだよ!
「真智…。そんなこと言っても昔のことだろ?相手は忘れてるよ。」
「ううん!忘れてなんかない!だって指きりまでして約束したもん!」
お父さんは苦笑しながら私の話を真剣に聞いてくれない。
このままじゃ、私が約束を破っちゃうよ…。
「そんなことないと思いますよ。」
「へっ?」
するとヒーローマン(偽)が私とお父さんの会話に入ってきた。
「こいつがこんなに自信満々に言うんだから相手も覚えてますよ。」
「ヒーローマン(偽)…」
「てか俺"ヒーローマン"でも"偽物"でもないから、その呼び方はやめろ。」
誰も信じてくれないと思ったのに、ヒーローマン(偽)だけは信じてくれて
私は嬉しくなった。