Sweet Heart
「うっせぇ!そもそも何で同居なんかしなくちゃなんねぇんだよ!」
葵君は負けじと蘭さんに対抗する。
「どの口がそんなこと言うのかしらね~?」
「ひひゃひ!ははへ━!
(痛い!放せ━!)」
すると蘭さんは、葵君の両頬を掴み、力強く抓った。
蘭さん見かけによらず容赦ないなぁ…。
そんなことを思いながら私が蘭さんを宥めながら、葵君から引き離した。
「真智ちゃんは何1つ文句も言わず来てるのに、何で男のあんたが逃げるのよ!」
「えっ!?私!」
突然、蘭さんに私の名前を呼ばれて驚いた。
まさか私のことが出てくるなんて思いもしなかったよ…。
私が1人で驚いている中、更にヒートアップする姉弟喧嘩に、どうして良いかわからずにいた。
「それとも何か嫌なことでもあるわけ?」
「…嫌なこと。」
すると、蘭さんの言葉が矢のようにチクリと私の胸に刺さった。
葵君、嫌なことがあるかるのかな?
嫌なことって…私のこと?
私は葵君のことを良い人って思ってるけど、
きっと葵君は私のこと良いようには思ってないかもしれない…。