Sweet Heart
 


「うっせぇ!そもそも何で同居なんかしなくちゃなんねぇんだよ!」



葵君は負けじと蘭さんに対抗する。



「どの口がそんなこと言うのかしらね~?」


「ひひゃひ!ははへ━!
(痛い!放せ━!)」 


すると蘭さんは、葵君の両頬を掴み、力強く抓った。



蘭さん見かけによらず容赦ないなぁ…。



そんなことを思いながら私が蘭さんを宥めながら、葵君から引き離した。



「真智ちゃんは何1つ文句も言わず来てるのに、何で男のあんたが逃げるのよ!」


「えっ!?私!」



突然、蘭さんに私の名前を呼ばれて驚いた。



まさか私のことが出てくるなんて思いもしなかったよ…。



私が1人で驚いている中、更にヒートアップする姉弟喧嘩に、どうして良いかわからずにいた。



「それとも何か嫌なことでもあるわけ?」


「…嫌なこと。」



すると、蘭さんの言葉が矢のようにチクリと私の胸に刺さった。



葵君、嫌なことがあるかるのかな?


嫌なことって…私のこと?



私は葵君のことを良い人って思ってるけど、


きっと葵君は私のこと良いようには思ってないかもしれない…。




< 36 / 179 >

この作品をシェア

pagetop