Sweet Heart
朝ご飯を早く食べたから、もうお腹が空いたんだ!
さっ…最悪~!
「クッ…アハハ!」
「へっ!?」
私は慌ててお腹を抑え、俯くと、葵君が突然声を出して笑い出した。
あっ、葵君が笑ってる!?
しかも大きな声で!
「腹が減ってたことを言いたかったのか?」
「えっ!?いや…その…。」
「それにしても腹の音、でかすぎだろ!」
笑いが止まらない葵君は私が誤解を解こうとしていることに気づかず勘違いをする。
だけどそんな楽しそうに笑う葵君を見たのは初めてで
私は誤解を解くのをやめた。
だって…
凄く楽しそうに笑ってる顔を見たいと思んだもん…。
「って、食べる物何もねぇし。」
「えっ!嘘!?」
「ほら。」
そう言って葵君は私に何も入っていない、空の冷蔵庫を見せた。
その他にも、調味料や粉類もない…。
こんなに家具や部屋が無駄なくらいに沢山あるくせに
何で食べ物がないわけ!?
「きっと親父が2人で出掛けさせたいんだろ。」
葵君はパタンと冷蔵庫のドアを閉め、ため息を吐いた。