Sweet Heart
確かに…。
五十嵐さんやお父さんが考えそうなことだ…。
「じゃあ、私1人で行くから葵君はゆっくりしてて!」
私は財布を持ち、出掛ける準備をする。
すると…
「俺も行く。」
「えっ?」
葵君も自分の鞄から財布を取り出した。
葵君…来てくれるの?
だって私と居るの嫌なんじゃないの?
「だって、お前1人で荷物持てないだろ。」
「…葵君。」
「ほら、ぼけっとしてないで行くぞ。」
そして、私の頭を軽く叩いて、先に玄関へ向かう。
頭を軽く叩かれただけなのに、触れられた所が熱い。
それに何だかドキドキする…。
高鳴る胸の鼓動を抑え、私は葵君の背中を追った。
マンションの管理人さんに、スーパーの場所を教えてもらい、地図を見ながら歩く。
それにしても…葵君、歩くの速い!
2人でマンションを出て来た時は、普通に追いついていたけど
葵君が速すぎて、気がつけばどんどん距離が離れていた。
これじゃ、早歩きじゃなくてジョギングだよ!