Sweet Heart
「あとね、ヒーローマンシリーズのお菓子は普段高いんだけど、たまに特売になったりすると子供達が群がるんだよ!
私とここちゃんもそのうちの1人だけどね!」
あれもこれもとアピールすることが多すぎて1人で語ってしまう。
すると
「てか喋り出すと止まんねぇよな。」
「えっ!?ごめん!」
葵君は私と違って、冷静に言った。
またやっちゃった~!
1人で喋り続けて、暴走するの悪い癖なんだよね…。
「いや…、聞いてる俺まで楽しくなるから、もっといろんなこと教えてよ。」
「うっ、うん!」
呆れられてると思ってたから、まさか"楽しい"と言われたから驚いた。
あまり表情を変えない葵君の柔らかく笑った顔を見ると、私の心臓は大きく高鳴ってしまう。
きっと葵君の不意に見せる笑顔は私の心臓に悪いかもしれない…。
それから私はくだらない庶民的な話を一方的に語り続けた。
葵君はただ隣であまり表情を変えず、私の話を聞く。
でもたまに笑ってくれたりして、私は嬉しくなった。
「買い物も終わったし帰るとするか。」
「うん!」
そして、その日は沢山のことを話ながら、晩ご飯であるカレーの材料を買って帰った。