Sweet Heart
 


「葵君凄い!流唯も柔道が得意なのにあっさり倒しちゃったよ!」


「本当だ~!」



柔道が上手な流唯をあっさりと倒してしまった葵君。



私と亜沙美以外にも葵君と流唯が取っ組み合いをしているのを見ていたらしく、女子達は甲高い声で叫んでいた。



今ので葵君のファンは増えただろうな~!


だって、無愛想であれ頭は良いし運動もできるみたいだからモテるのは当然だよ!



自分で自分の言ったことに納得している私をよそに、


葵君は流唯を倒したからといって特に喜ぶこともなく、乱れた柔道着をきちんと直していた。






「葵君、強いね!柔道やってたの?」


「いや、遊び程度にしかやったことねぇよ。」


「そうなんだ!それにしても凄いね!」 


流唯が五十嵐とかいう男に話し掛けているのを、黙って見ている俺…。



まさか俺の道場に通い三本柱の1人とも呼ばれた流唯が…あの五十嵐とかいう男に負けるとは…!


道場といっても空手道場だが、柔道にしても流唯は強い奴だ!


あの男…できる!



「では決勝を始める!神宮寺、五十嵐、前に出るように!」


「オッス!お願いします!」


「…お願いします。」



よし!絶対お前を倒し、真智の前で恥をかかせてやるぜ!




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