Sweet Heart
今…何て言った?
「ったく。ちゃんと聞き取れよな。お前は真智のことが好…」
「あー!ちゃんと聞こえてるからそれ以上は言うなー!」
俺は五十嵐の言葉に恥ずかしくなり、慌てて最後まで言うのを止めた。
こいつ!何で俺が真智を好きだってわかったんだよ!
「表情や態度に全部出てるから誰でもわかるっつぅーの。
今なんか"何でわかるんだ!?"って言ってる感じだし。」
「……まじかよ。」
今まで俺なりに真智が好きだっていうことを隠してたのに…
転校生である五十嵐どころか誰でもわかるって…最悪だ。
「まぁ、真智本人は全く気づいてないみたいだけどな。」
「…だろうな。」
きっと五十嵐なりの慰めだろう…、俺は苦笑しながらため息を吐く。
それはそれで真智に意識してもらえてないっていう証拠だけど…。
「…そうだよ。俺は昔から真智が好きだ!」
俺はこれ以上、五十嵐に誤魔化しても意味がないと思い、渋々白状した。
相変わらず五十嵐は無表情のままで黙って俺の話を聞く。
「だから俺はお前が気に喰わないんだよ!」
そう言って、俺は強く五十嵐を睨みつけた。