NA-MI-DA【金髪文学少年の日常】
居間で凪人に借りた本を読んでいると、ふと強くなった雨音に気をとられて顔を上げた。
外をのぞくと、帰ってきた時より幾分か激しい雨が庭の梅の木をうちつけていた。
風も出てきたようだ。
枝が飛ばされなければ良いんだがと高校生らしからぬ心配をしていたナミダは、ふいに数時間前の出来事が頭の中に浮かんできて、ぱたん、と本を寝かせた。
お礼だ、と言ってナミダを家まで送った遠藤。
袖を引っ張られた先に遠藤がいた時は、てっきり余計なことすんな、とか言われるんだと思っていた。
なんかプライド高そうだし、と声に出して呟いてみる。
助ける気とかはなかった。
しかし、はたからみれば、遠藤に同情して助け舟を出したように見えただろう。
同情なんて、いかにも遠藤が嫌いそうなものだ。
遠藤 知恵という人間が分からない。
ナミダを凌駕する無愛想っぷりを貫いていると思ったら、今日のように、人の行動や言動をことのほか素直に受け取る心象の持ち主。
自由気ままな癖っ毛
純黒の瞳ん玉
おとなしい口元
可愛い声
そして何より、無類の読書好きであるというナミダとの共通項。
窓の方に目を向ければ、金髪の少年がこちらを見つめ返してくる。
ナミダには、そいつの心がいまいち読み取れなかった。
外をのぞくと、帰ってきた時より幾分か激しい雨が庭の梅の木をうちつけていた。
風も出てきたようだ。
枝が飛ばされなければ良いんだがと高校生らしからぬ心配をしていたナミダは、ふいに数時間前の出来事が頭の中に浮かんできて、ぱたん、と本を寝かせた。
お礼だ、と言ってナミダを家まで送った遠藤。
袖を引っ張られた先に遠藤がいた時は、てっきり余計なことすんな、とか言われるんだと思っていた。
なんかプライド高そうだし、と声に出して呟いてみる。
助ける気とかはなかった。
しかし、はたからみれば、遠藤に同情して助け舟を出したように見えただろう。
同情なんて、いかにも遠藤が嫌いそうなものだ。
遠藤 知恵という人間が分からない。
ナミダを凌駕する無愛想っぷりを貫いていると思ったら、今日のように、人の行動や言動をことのほか素直に受け取る心象の持ち主。
自由気ままな癖っ毛
純黒の瞳ん玉
おとなしい口元
可愛い声
そして何より、無類の読書好きであるというナミダとの共通項。
窓の方に目を向ければ、金髪の少年がこちらを見つめ返してくる。
ナミダには、そいつの心がいまいち読み取れなかった。