最後の血肉晩餐
 一番奥のテーブルに通された。落ち着いていて、良いかも知れない。隣には映画館がすぐ見えた。


夏休みとあって、子供連れの家族が映画を見たり、食事を楽しんでる姿が多数見られた。


「何を食べようか? 赤ワインのボトルと、俺はイカのフリットのサラダと魚介入りペスカトーレにする。南ちゃんは?」


「二人でいろいろ食べれる感じが良いですよね? じゃあマルゲリータで」


「ワインに合いそうだね。注文お願いしま~す!」


店員を呼び、注文し、ワインだけが先に運ばれてきた。


「南ちゃんワイン沢山飲んで! 俺も今日は飲んじゃう。酔っ払いすぎたらバイクを置いてタクシーで帰るよ」


「わーい! 嬉しい! 飲んじゃいましょう! 乾杯!」


グラスをあげ、乾杯する南ちゃんはワイン好きなのがわかった。


ワインのマナーでは、グラスをぶつけ合うのはご法度だからだ。


続いてイカのフリッターサラダが出てきた。


「俺、このサラダ好きなんだ! イカのさくさく感がたまらないんだよ~」


美味しそうに食べる俺を見つめていた南。その表情に安心したかのように、南も食べ始めた。


「なんだか少しほっとした……とても深刻そうだったから」
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