最後の血肉晩餐
 店内をあちらこちら見ながら店員の後ろに着いて行った。店の一角には不思議なことに神社があった。


「優香ちゃん? 何あれ?」


「あ~あれはこのお店の一押しで、あの神社にお参りすると恋愛が適うと言われてるんですよ」


「へぇ……」


居酒屋もだいぶ進化したものだ。


「こちらをお使いくださいませ。飲み物のご注文を先にうけたまわりますか?」


襖の扉を開けると、部屋の中も負けじ劣らず、高級感のある江戸を感じさせるお座敷だった。テーブルには桜の枝が花瓶に添えられていた。


「すごく雰囲気いいね!」


「でしょでしょ! 何飲みます?」


「えっとじゃあ俺はとりあえず、生ビールで」


「私は柚子酒で!」


「かしこまりました」


男性店員は襖を閉め、下がった。
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