最後の血肉晩餐
◆◆◆


 今日のお通夜は楽だった。最終的にほとんど親戚類が残らなかった為、通夜ぶるまいも短時間で終わった。料理屋の片づけを急がせ、ご両親に気を配った。


「お父様、お母様、もう疲れたでしょう?

今日は早く帰ってぐっすり寝てください。私が遺体をお守りしますので」


50代後半の裕福そうな脂肪がたっぷりのった体と刻み込まれたシワ、優しそうなお母さんがこう言った。


「貴方のような方とまだ一緒に住んでくださってたなら優香も浮かばれたと思いますのに……

金髪のあの男なんてさっさと帰ってしまって……優香はどういった付き合い方をしていたんだか」


「もう考えないほうがいいですよ。明日もありますので」


お母さんの両肩を宥めるようにぽんぽんっと軽く叩いた。


「お父様は大丈夫ですか? お酒を沢山飲まれたようですが、立てますか?」
< 291 / 672 >

この作品をシェア

pagetop