最後の血肉晩餐
「うぅぅぅ。俺なんて俺なんて! 一人娘だったのに!」


またテーブルに伏せてしまったお父さんは、寝てしまったら困るので、お父さんの顔をそっと持ち上げ、冷たいおしぼりで火照った顔と涙を拭いてあげた。


「お父さん、もう帰りましょう。今日はもう充さんに任せましょう」


「……そうだな、悪いねぇ、充さん後は頼むよ――」


「任せてください。ささ、お父様、肩によりかかって」


お父さんは俺の肩を借り、ゆっくりと階段を降りた。


「貴方のような方と結婚していたら優香は助かったかもしれないわ」


「もうやめましょうお母様、きっと犯人を見つけ出しますよ」


ご両親に頼もしい笑顔を残し、入り口まで見送った。料理屋を帰すと、真っ暗な式場で眠っている優香の元へ急いだ。
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