最後の血肉晩餐
「その子とはなんで会えたの? もう一人の人とは会えたのに?」


朋子はピンクの桜の絵が描かれたお弁当箱を黄色の布で包み始めた。


「あいつは結婚してるじゃない? でもこの子は結婚もしていないし、彼女もいない。本気度が違うからかな」


遊ばれるのが怖いということなのか? 私はお皿の上にあるレモンを箸でいじくりまわしていた。


「その子と結婚は考えてないの? どちらにしても仮面夫婦で離婚はしたいんでしょう?」


「その子の住んでいる場所が、結構遠いのよね……あまり離れていて、知らない土地だと怖いというか」


真剣なのか? 遊びなのか? 私には全然わからなかった。


好きなら着いていくのが普通だと思ったけど。どちらにしても自己中心的に聞こえた。
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