最後の血肉晩餐
 聞いているのか、いないのか? 亮は黙々と私の少し先を歩いている。それからは何を話していいのかわからず、無言になった。


マンションの入り口前について、カツンカツンカツンと灰色の階段を昇った。途中、亮が口がやっと開いた。


「お前に、なにがわかるんだよ……?」


ぼそりと呟いた。聞こえるか聞こえないかの声で。でも私には聞こえてしまっていた。


二階に昇り切った亮は、まだ昇り切ってない私を上から鋭い目で見つめ、また口を開いた。
< 403 / 672 >

この作品をシェア

pagetop