最後の血肉晩餐
胃がぎゅうっと縮小し、鼓動が早くなる。


「人の話聞いてんのか? おい? 嫌がらせをなんとかしろ!」


「もう辞めてらっしゃいますし……どうしろと言われても……警察のほうにはご相談されたんですか?

彼女は真面目に人間愛について学んでいましたし、嫌がらせするような子ではないと思いますが?」


淡々とした口調に教会というか、区役所のド真面目な局員の言葉に聞こえた。ますます苛立ちが全身の空気を包む。


「なんで辞めたんだ? どこへ行っても虐められる女なんだろうが」


電話の向こうで子供達のはしゃいでるような笑い声が聞こえる。今の俺にはうるさいノイズにしか聞こえない。


「愛というものがわかったと言っておりましたね。主に呼ばれたと……その愛に生涯をもって応えると。位の高い修道院へ異動したのなら安心なんですけどね……」


こ、こいつ!? 人の話聞いてるのか? 俺の話無視か?


「嫌がらせするやつが、立派な修道院なんて入れるはずないだろうが! 馬鹿か?

いいか?

お宅のほうに現れたら、ストカー行為を止めるように言っとけ!」


「まあ!! なんというお言葉ですか?

私達はお互いに弱さを乗り越え、愛する力を神から与えられるのです。

よろしければ教会で告解をお勧めします」
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