最後の血肉晩餐
「……付き合っていないようなものだよ。もう忘れた」


ペットボトルの蓋を思いっきりひねり、口に流し込んだ。もう一つのオニギリのラップを剥がし、がぶりつく。


愛情がこもってる物はなんでも美味しい。もう一つも好物の焼きたらこのオニギリだ。


俺の事をまだ好きなのかと勘違いしそうだ。その気持ちを掻き消すように紙袋をぐしゃぐしゃっと丸めた。


ペットボトルを座席の横に置き、またぼんやりと外を眺めた。


通行人が少なくなってきた。空もほんのりと赤く、日も落ちてきた。


南か……南はどうなったんだ?


ずっと聞きそびれていた。
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