最後の血肉晩餐
後部座席を見ると紙袋が置いてあり、それを手に取り引寄せた。


ガサガサっと袋を開けてみると、手作りのオニギリがラップに包まれて二個入っていた。ミネラルウォーターも一本入っている。


昔からそうだった。いつだって恵美は心を見透かし気をつかう。


言わなくてもわかってくれる。それが凄く心地良かった。だがそれが長く続くと空気のようになってしまう。


思考停止し、ラップをはがし、オニギリにかぶりついた。大好きなシャケオニギリだった。


「うまい! 久しぶりだよ! 手作りオニギリなんて!」


「南は作ってくれなかったの?」


今度は逆に嫌味を言われたような気がした。
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