最後の血肉晩餐
「あの企業解体女もむかついたわ! 他にも沢山男が居たくせに、貴方の会社の人達や友介にまで手を出そうとした。

貴方が毒牙に掛かる前に殺したわ。心を弄ぶあの女……死んで当然だわ? 傲慢の刑よ」


――全部俺の為? そうなのか? じゃあ、なんで?


「じゃあどうして賢二を! どうして殺したんだよ!?」


方向を変え、俺に背中を向けた。肩が微妙に震えているのがわかった。


右手に握られている万年筆に力が込められているのがわかる。そのまま手の中で折ってしまいそうに。恵美は黙ってコンクリートの壁を見つめていた。


「賢二を俺の身代わりにしていたんだろう? お前を大切に思っていたはず……

なぜ殺したんだよ! わかんねーよ!」


状況を飲み込めない怒りが体力を少しだけ回復させ、声を振り絞って叫んだ。
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