最後の血肉晩餐
 シスターは持ち上げ、首根っこから血を啜り上げた。チュウ、チュウという音が、浴室に響き渡り気絶しそうになった。


――友介が死ぬなんて信じられない。私はなんの為に……。


――バシンッ!!!!


「恵美さん、寝ないでくれる? この生首はホルマリン漬けにして崇めるのよ? 手に入ったじゃない。万事休すで嬉しいでしょう。貴方の大好きな友介さんがココにいるのよ?」


「友介じゃないわ! 喋らないじゃない! もう話すことも出来ないわぁ!」


「泣かないでくれる? 湿っぽいのは嫌いなの。 見てご覧なさい! この穏やかな表情。よく眺めてごらんなさい! 語りかけてくるようでしょう」


血の滴る生首をもう一度じっくり見つめた。変わり果てた姿でも、やっぱり愛しい貴方だった。


――なぜ、こんな……友介、ごめんなさい。


――恵美、生き延びろよ。


え!? 今? 語りかけてきたの? 友介の声……そんなまさか!


「友介!」


立ち上がり首を奪おうとしたが、両手首に繋がれている太い鎖が、それを阻止した。


「恵美さん? 悪いけど、これに触れないでくださる? もっと徳を積まないとね? 簡単に触れさせたら、主が汚れるわぁ~」
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