最後の血肉晩餐
 ――食べられたっていいよ……でも、もう一度、水戸に会いたい。それこそ殺されるならば、最後にもう一度だけ……気持ちが収拾つかない。どうすれば、会いたいよ。


――バシン!!!!


「ほら恵美、しっかりしな! 愛しい彼がくるんだよぉ? 晩餐の用意と顔洗って出直しなさい。彼には綺麗な自分を見て欲しいんだろう? 早く起きて整えな!」


アイタイ。コロシタクナイ。アイタイ。コロシタクナイ。貴方の前では綺麗でいたい……。


――コン、コン、コン! 


「お言葉に甘えて、戻ってきましたー!」


シスターが素早く、扉を開けた。さっきまでここにいた彼が、またここに現れた。


嬉しい……やっぱり私は、もう一度会えて幸せだ。


「早かったのねぇ! 恵美さんがちゃんとお持て成しをしなかったようで、ごめんなさいねぇ! さぁ、入って!」


「お邪魔しまー……どうしたの恵美さん? しゃがみこんで? ほら」


差し出された水戸の手を掴んだ。この暖かさは、心までゆったりと染み渡る。友介の時のように、どうしようもなく、ときめいている。


「恵美さん、水戸さんと少しお話してなさいなぁ? ワインをお持ちしますわぁ? 今日はこれを飲んで語りましょう?」
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