最後の血肉晩餐
 ――ガンッ! 


扉を閉め、靴先で思いっきり蹴とばした。なんだかモヤモヤし、スッキリしない。刑事の勘が違うと、頭で渦を巻いているようだ。


シスターが待っている扉へ戻る。


こいつの表情が、神経を逆撫でする。大きな口で半笑い。人がこんなにも死んでいるのに、なんで笑っているんだ?


「おい、シスター? 恵美は全部吐いたぜ? お前も加担したんだってな? お前も自供しちゃえよ。どうせ捕まるなら、スッキリするぜ? 恵美と一緒に、暗くひんやりとしたコンクリートの独房に入っちまえよ」


「私が共犯と、恵美さんがおっしゃったの? ありえないわぁー? くすくすくす。水戸さん、なぜすぐにばれる嘘を吐くのかしら? 警察ですのに、それは良くないことですよ? 私はやってないわぁ? 恵美さんが言うはずありません。水戸さん? 証拠を持ってらっしゃいな。


ハヤク! ハヤク! ハヤク! ハヤク! ハヤク!」


――くっ! こいつは恵美の性格を熟知している。


恵美は北川を信じきっているように、こいつのことも、教祖の様に信じている。それを揺るがすのは、恵美にとっても良くないことなのか?


恵美さん……分かったよ――。
< 665 / 672 >

この作品をシェア

pagetop