腕枕で眠らせて



「えっ…今日、ですか」


水嶋さんにしては珍しいくらい驚いた声をあげた。


「あ、ごめんなさい。急過ぎますよね。じゃあ来週…」

「あ、いえ、大丈夫です。今日、午後からでいいですか?」


更に珍しい事に、慌てた様子で水嶋さんは今日に約束を取り付けた。


「じゃあ15時に。この間と同じカフェでお待ちしています」


最後にはいつも通りの水嶋さんに戻ったけど。


もしかして何か用事入ってたかな。大丈夫なのかな。

ちょっと気を揉みながら通話を切ってもう一度首を捻った。






近くなり過ぎないように、と決めたばかりで早々に顔を合わせる事になったワケだけど。


これは、だって、仕事だから。と心の中で誰かに言い訳。



約束の時間に約束のカフェに着いて、中に入る前に一回深呼吸。


扉を開いて店内を見渡せば、前回と同じ席で水嶋さんが手を振っていた。



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