腕枕で眠らせて




私の妙な緊張を吹っ飛ばすほど、水嶋さんの報告は100パーセント仕事の話だった。



「三店舗目ですか…!」


「ええ、おかげさまで。来年の春にオープンの予定です」


水嶋さんの営む雑貨店【pauze】。それの三店舗目を出店するというおめでたい報告に、私は変な緊張も忘れ喜びと感心に目を輝かせた。


「すごい!おめでとうございます!!」


「ありがとうございます。鈴原さん始め、良い取引をさせてくれている皆さんのおかげです」


やっぱりすごい、水嶋さん。まだ二十代なのに都内に三つもお店を持つなんて。

なのに全然謙虚なのがこれまたスゴい。


「それで、相談なんですが」


「あ、はい」


「鈴原さんの商品を新しいお店でも扱わせて頂けないでしょうか」


水嶋さんの言葉に、私はまばたきを返すばかりで即答が出来なかった。

さすがに少し考え込む。

私のサンキャッチャーは当然手作りだ。それも一人で黙々と作るのだからどうしたって数に限界がある。

正直、今もサイト通販分と水嶋さんのお店に卸す分だけで手一杯だ。


「んー…」


少し、目を閉じて考え込む。


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