腕枕で眠らせて



それから夜は愛子との楽しいお喋りで更けていった。


自分のコト、愛子のコト、女同士のお喋りはアルコールを潤滑油になかなか尽きなくて。

今日は愛子と飲めて良かったな。

そうしみじみ感じながら3杯目のビールを飲み終えたところでそろそろお開きにしようかと思った時。


「…えーっとさ…んと、本当は今日言わないでおこうかと思ったんだけどさ…」


少し視線をさ迷わせながら、愛子が突然口火を切った。


「何?」

「…美織、今幸せだもんね。素敵な彼氏がいるんだからもう平気だよね」


そう言った愛子の前置きに、一瞬スッと私の背中に冷たいものが走った。



聞く前に酔いが醒める。聞くべきじゃない予感がした。



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