腕枕で眠らせて
「紗和己さん、ありがとう。スゴくスゴく嬉しい。私、こんな素敵なクリスマス初めて」
幸せに、顔がふかふか綻んで止まらない。
「喜んでもらえて、良かった」
そう言う紗和己さんの顔も、細めた目元から幸せが零れ落ちそう。
嬉しくて、嬉しくて。
もっと、近くなりたくて。
私の体はもっと紗和己さんの熱を感じたくて。
だから、ふたりが身を寄せあってその距離がゼロになったのは自然な事だったと思う。
コート越しに、ブランケット越しに、それでも熱は伝わる。
初めて、彼の背中に腕をまわした。
初めて、彼の大きな手が私を抱きしめた。
身長が高いのも胸板が広いのも分かってた。
なのに、いざ抱きすくめられると思ってた以上に私は彼の中にすっぽり収まってしまって。自分でも可笑しかった。
「…ふふ、ふふふ」
「どうしたんですか」
「紗和己さん、おっきいね」
「美織さんが丁度いいんですよ」
「紗和己さん、あったかいね」
「美織さんも、温かいですよ」
「ふふふふ、」
「なんですか」
「すごい、幸せ」
「…僕もです」
困ったなあ。
幸せ過ぎて笑いが零れて止まんないや。ムード無くなっちゃう。
笑いを零したままギュウギュウと彼の背中を掴む私に、紗和己さんは可笑しそうに目を細めると
長い指で私の前髪をするりと掻き分けて、おでこにキスをした。
ふっと温かいものをおでこに感じたのは、ほんの一瞬だった。
「………」
「乾杯、しましょうか」
赤くなった顔で紗和己さんを見上げると、彼は照れくさそうにはにかんで言ってゆっくりと腕をほどいた。