腕枕で眠らせて
「ご馳走さまでした。美味しかったです」
紗和己さんは、ニコニコと嬉しそうな顔をして手を合わせた。
「お粗末さまでした。大したものじゃないけど、喜んで貰えて良かった」
本当に、大したものでは無いけれど。私の作った筑前煮と春菊と柚子のサラダを、紗和己さんは美味しそうに食べつくしお皿を綺麗にしてくれた。
「まだお仕事残ってるんでしょう?私、お皿洗ったら帰るから構わず続けて」
お店での出勤が終わっても紗和己さんは忙しく、私がキッチンを借りて晩御飯を作ってる間にも彼はずっと書斎でパソコンを叩いたり電話をしたりしていた。
もっと力になってあげたいと思うけど、私がしてあげられる事なんてせいぜい栄養を考えた食事を作ってあげる事ぐらいで。
せめて、邪魔にならないようにと願うのだけれど。
食器をシンクに運んだところで、ぎゅっと後ろから抱きすくめられてしまった。