腕枕で眠らせて



「すみません。なかなかゆっくり出来なくて」


「紗和己さんが謝る事じゃないのに。私こそ忙しい時にお邪魔しちゃってごめんなさい」


「…泊まっていきませんか?美織さん、今日、元気無いですよね。このまま帰せないですよ」



後ろから首筋に顔を寄せて言う紗和己さんの吐息が、くすぐったいと思った。



「…吐き出して楽になる事ならどうぞ吐き出して下さい。

言いたくない事ならば黙ってて構いませんから、そのかわり…たくさん抱きしめさせて下さい」



紗和己さんの言葉が。眼差しが。温もりが。匂いが。ぜんぶぜんぶ私を包むの。


泣いてしまいそう。




あのね。


不安なの。


貴方と玉城さんの事が。


有り得ないのに、まさか、もしかしたらって思っちゃうの。


浮気じゃなくったって、玉城さんは私より近いところに居て、紗和己さんにとても必要な人で。彼女がその気になったらあっさり貴方を奪われてしまう気がするの。


怖いの。とても。


嫌な思い出が幾つも蘇って。信じるってなんだっけって分からなくなっちゃうの。


あんなに貴方がくれた信頼が嫌な思い出とこんがらがって私はすごく苦しくて。



どうしていいか分からないの。


助けてって、上手に伝えられないの。







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