腕枕で眠らせて
「すみません、駅までお迎えに行けなくって。バイトの子が急にお休みしちゃったんで僕が店に出る事になりまして」
目を真ん丸くしている私に、水嶋さんは照れくさそうに頭を掻いて言った。
「み、水嶋さん、オーナーなのに店番もするんですか?」
「オーナーって言っても2店舗だけですし、そんな偉いモノじゃないですよ」
少しはにかんだ水嶋さんはその格好と相まってか本当に偉そうなオーナーなんかじゃなく、爽やかなバイトのお兄さんにしか見えなかった。
…変な人…。
私の中で、男の人っていうのはもっと肩書きとかに拘るものかと思ってた。
経営者と云う立場から偉そうに他のバイトに「出ろ」って指示すれば済むことなのに、それをわざわざ自分が出るなんて。
水嶋さんて、ちょっと変わってる?