腕枕で眠らせて
「…水嶋さんて、私と以前お会いしたことありましたっけ?」
「いいえ、どうしてです?」
…だって、なんだか今の言い方。
まるで私を以前からよく知っていたみたい。
「いえ、なんとなくちょっと思っただけです」
不思議そうな顔をしている水嶋さんにそう答えたと同時に、店のベルが来客を知らせた。
「いらっしゃいませー。
鈴原さん、すみません、ちょっと失礼します」
水嶋さんはそう言って長身に似合わない小走りでレジカウンターへと戻っていった。