腕枕で眠らせて



「…水嶋さんて、私と以前お会いしたことありましたっけ?」


「いいえ、どうしてです?」



…だって、なんだか今の言い方。

まるで私を以前からよく知っていたみたい。


「いえ、なんとなくちょっと思っただけです」


不思議そうな顔をしている水嶋さんにそう答えたと同時に、店のベルが来客を知らせた。


「いらっしゃいませー。
鈴原さん、すみません、ちょっと失礼します」



水嶋さんはそう言って長身に似合わない小走りでレジカウンターへと戻っていった。




< 27 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop