腕枕で眠らせて
あれから。
全てを話した私をそれでも好きだと水嶋さんが言ってくれてから、一ヶ月が経った。
関係は良好。
ただし、ビジネスパートナーとして。
あんな事があった後でも水嶋さんは馴れ馴れしくも冷たくもならず以前と変わらず。
水嶋さんて出来た人だなぁと他人事のように感心しちゃう自分と、気を使ってくれてるんだろうなと自分事として胸を痛める気持ちが3:6ぐらい。
残りの1は、変わらずにいてくれる水嶋さんにホッとしてる臆病でズルい私。
…でも、こうして側にいるときはホッが5ぐらいに増えてるかも。
カウンターで納品書にサインを書いている水嶋さんの横顔を見ながら思う。
良かった。このビジネス関係が変わらず続けられて。水嶋さんと、縁が切れる様な事が無くて。きっとこんないい人と仕事が出来る事なんてなかなか無い。
通った鼻筋に長い睫毛の端正な横顔を見つめる視線に安堵と感謝を籠めてみた。
「はい。お待たせしました、鈴原さん」
納品書の記入を終えた水嶋さんがふいに顔を上げてバッチリ目があってしまった。
わぁ。私、なんか、すっごくガン見してたみたい。
「あ、ありがとうございます!」
慌てて視線を逸らしてしまった。
うわぁ。私、すっごく意識してるみたい。