そして 君は 恋に落ちた。





先輩の家に行くってなんだ?



「知らないうちに帰ってたんですね」


不機嫌さを隠さずいつもより低い声で言った俺を、先輩は不思議そうに見た。


「鍵はポストに入れたわよ?」


「…はい。ちゃんと置き手紙に書いてありました」



……そうじゃなくて。



「…っていうか。
 瀬川さん、先輩の家に泊まったりするんですね」



更に低く。

さすがの先輩も俺の声色に気づき顔を上げた。



「本当に―――仲がいいですね」

真顔で見ると、ピキッと固まる春日さん。


「お先に失礼します」



そんな彼女に、笑顔を貼り付け席を立った。




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