そして 君は 恋に落ちた。
俺の中にある真っ黒な固まり。
それが、ジワジワと周りを浸食していた。
俺が気づかぬ間に―――…
いつも通りに仕事を終え、デスクを片付ける先輩。
それを視界の端に入れながら、俺は声をかけることもせず目の前の画面に顔を向けていた。
先輩は、この後瀬川さんを家に招いて二人の時間を過ごすのだろう。
別にいいんじゃない?
俺には関係ないし。
むしろ、俺を好きになられても困るし。
ただ、彼女に触れる前に戻るだけだ。
チッと舌打ちし、入力ミスした箇所を消していく。
そんな俺の纏う黒い空気に気付いてるのか、珍しく誰も声をかけてこなかった。
先輩も帰り、相変わらずの入力ミスで進まない現状に、今日の業務を無理矢理強制終了させる。
………もう帰ろ。
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