そして 君は 恋に落ちた。
今日は業務内容でしか彼とは話していない。
お昼も食堂には来なかったし。彼女と仲良く食べに出かけたのかもしれない。
「ハァ… 寒い……」
帰り支度をして外に出ると、室内の適温から一変、肌寒い、冬特有の冷たい空気が頬を冷やした。
空を見上げていた目を、ゆっくり進む方向へ移動させる。
帰宅途中の人混みの中、私はゆっくり駅までの道を歩き始めた。
どうして。
どうして私は見つけてしまうんだろう。
茶色のサラサラの髪。
背筋が伸びた、長い足の後ろ姿。
それは、見間違えることない彼の後ろ姿。
私よりも早く会社を出たはずなのに。
松田君は珍しく他の部署の人と帰っていた。
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