そして 君は 恋に落ちた。


「……やだ」



私が断ると周りの女子が信じられないと目を見開いた。

当の瀬川君は笑顔で

「よし!今日はノー残業dayだな」

言って、立ち去る。


後に残された私への痛いくらいの視線。



「あ、俺ピンク好きだからピンクの服は絶対買えよ!」

言い忘れをわざわざ大声で付け足しやがった。あの男。



黙って雑誌を閉じると周りの女の子が何か話し始める。


……勘弁して下さい。

雑誌を袋に仕舞い立ち上がると、松田君が私の元へきた。



今日は朝のお金のやりとりから彼には近付いていない。


何を言われるかビクビクしていると、「春日さん買い物行くんですか?」と聞いてきた。


どうでもいい内容の質問に、「仕事が早く終わったらね」と伝えると、彼は笑顔で「俺、青が好きです」と言ってきた。



瞬間、騒がしくなる休憩室。

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