くまのまーくんのお話
「う~ん。う~ん」


全身がズキズキして、痛くてとても動けません。


「まーくん…」


どれくらい時間が経ったのでしょうか。


いつの間にか眠っていたまーくんは、その声で目を覚ましました。


「あ、おばあちゃん…」


傍らには、ニコニコと笑顔を浮かべたおばあさんが正座していて、まーくんを見下ろしていました。


「えらいね、まーくんはホント良い子だね」


そしてそう言いながら、頭をなでなでしてくれます。


そこでまーくんはあれ?と思いました。


呼吸をするのさえ辛かった体の痛みが、寝ている間にすっかり消え失せていたのです。


起き上がるとおばあさんは、ニコニコ笑顔のまま、どこに隠していたのか、いつものおむすびを差し出しました。


「わぁー!おばあちゃんのおむすびだー!」


喜びいさんでまーくんはそれを手に取り、銀色の皮を剥いてさっそくかぶりつきます。


「ごめんね?柿は取れなかった…」


おばあさんはしゅん、としながら言いました。


「でも、おむすびは作っておいたから。しばらく経ってしまって、美味しくないかもしれないけれど」
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