止まない雨はない
「あら?…ご無沙汰。」


俺の前に真っ赤なマニキュアを付けた女が現れた。
誰だ?この女は…
相手は俺を知っているようだ。
俺は知らない…


「ねえ…。」


正直迷惑だ。今、女はいらない。
今は…さっきまで一緒にいた彼女の事だけを考えたい…


「うざっ…男がほしけりゃ他当たれよ。
 しかも、お前だれ?」


「何言ってるの?この前一晩一緒にいたでしょ。」


女は少し興奮しているようだ。
しかし、そんなことどうでもいい…


「そう…もう用はないから、金輪際声をかけるな。
 目障りだ。散れ…」


むごいことを言っているのは自分でも分かっている。
しかし、こんな女はいらない。



女は顔を真っ赤にさせて、店を後にした…
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