マーブル色の太陽

僕は決意した。

僕は『声』と交代する。

初めて自分の意思で交代することが、どんな結果になっても構わない。

僕は生きたい。

僕は僕の世界を取り戻したい。


(替わって! 替わってください!)


僕がそう強く願った瞬間、体の中の何かがいなくなった気配がした。

体が軽くなり、僕は緩やかで暖かく、静かな海に浮かんでいるような安らかな気持ちになる。


「マ……た……ナ……』


その声が僕の静寂を打ち破る。

僕は自分の状況を思い出し、慌てて目を開いた。

しかし、合瀬はもういなくなっていた。

不気味な言葉を残して。
< 649 / 672 >

この作品をシェア

pagetop