マーブル色の太陽

馬場先生の車は、左側が大きくへこみ、ヘッドライトは割れ、サイドミラーは無くなっていた。

そして、その車は僕らが落ちた場所付近に乗り捨てられていた。

あの時、ガードレールに接触した音以外に聞こえていた大きな音と振動は、馬場先生が僕をバスごと崖から落とす為のものだったのだろう。



馬場先生は下の道路で死んでいた。

途中、落石防止の壁から突き出ている、湧水用のパイプや木に刺さったのか、全身穴だらけだったそうだ。

そして、そのお陰で、合瀬が与えた傷は深く追及されなかった。
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