マーブル色の太陽

あの時、事故現場で最後に踊り出してきた炎。

あれを、あの場にいた人間で見たものは一人もいなかった。

僕のそれは、医者によって心理学的にアルファベットを使った難しい言葉で表され、僕には「あまりの状況に脳が受け入れることを拒否し、無理をさせた為に見えた幻覚」とう説明がなされた。



あの炎は本当に幻だったのだろうか。

火の中を必死に逃げた僕の、トラウマが生み出した幻影だったのだろうか。
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