マーブル色の太陽


「ほらっ! また欠伸してるよ」


みどりが笑いながら僕の顔を覗き込んでくる。

だが、その目は僕の本質を見抜こうとしているのか、いつも笑ってはいなかった。


「最近、眠くて……」


眠いのは本当だった。

本当に眠い。

一日の半分の記憶が無いこともある。

きっと、近づいているのだろう。


「また、インターネットでエッチなサイト見てたんでしょ?」

「ま、また?」


僕らは笑いあい、じゃれながら登校する。



初夏。

新緑の季節。

爽やかな風に、緑色が映える。

大麦の畑に風の通り道が出来ている。

僕は立ち止まり、みどりの顔をじっと見た。
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