冷たい世界の温かい者達
「姉ちゃんはこいつの彼女か?」
『違います』
「そんな即答しなくても……」
何気に落ち込んでいると、由薇は怪訝な目を向けてきた。
泣くぞ。
「最近どーだ? 千尋の坊は」
『ブフッ』
千尋の坊。
うん、つまりはあの人ですよ。 うん。
「元気にしてるよ。
あと千尋の坊って呼び方、いい加減あいつ怒るぜ?」
「千尋の坊ってずーっと親父が呼んでたから癖でな」
この人は2代目。
親父さんが最近他界し、この人はまだ28歳だ。
どこかおっさんの感じがするから28にはどう考えても見えないんだが。
容姿はイケメンだ。
ちなみに、ここは千尋の家が牛耳る1つの店。
だから、紹介も実は千尋からだ。
『へぇ、千尋の……』
説明すると由薇も驚いたようにロゴを見ていた。
「姉ちゃんあれだろ、朔の」
「いや、まだだぜ」
「え? マジで? 頑張るな~姉ちゃんも朔も」
どんな反応の仕方だよ。
由薇は楽し気に笑っていて、少しこっちも笑みが零れた。