冷たい世界の温かい者達





「あそこでも入る?」



『並ぶの面倒い』



……こいつホントに女か。




「じゃぁどっか行きてぇとこねぇの?」




『……あそこ』




由薇が指差したのは観覧車だった。







「何で観覧車?」




『……視界に入ったから』




視界に入ったから……




「……ブッ、ははははは‼」





不機嫌そうな由薇の顔が見えて、余計に笑いが込み上げてきた。




まともな観覧車っつー解答もらったと思えば、視界に入ったからって…っ




本当、的を外してくる。






一通り笑い終えると由薇は目を細めて俺を見ていた。




『……やっぱいい。




あそこの公園で』




由薇はグイグイと俺を引っ張って、すぐ傍にあった公園に入った。






こんな公園あったんだ……?






そこはベンチとブランコしか無い殺風景な公園だった。




子供に絶対人気ない。





そう思ってると、ベンチに座った由薇に引っ張られて俺も腰を下ろした。







「で、何。 話したかったんでしょー?



それとも告白?」






『……』




珍しく何も返してこない由薇。



いつもなら絶対キモいか死ねくらいは言ってきてたと思うね、うん。





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