冷たい世界の温かい者達







『……話したいことがあるのは、お前の方だろう?』





「……」







チラリと由薇の横顔を盗み見る。




由薇は俺に視線は向けず、前をまっすぐに見ていた。




先には少し赤みがかった空があって、だけど沈んではなかった。





幻想的で、何故か悲しみが溢れてくるその景色を俺は夜景より綺麗だと思った。




「何でもお見通しか? チビちゃんには」






正直、今日はちょっとしたストレス発散しようと思ってただけだ。





話なんて……すると思ってなかった。





手に冷たい何かが触れて、視線を落として自分の手を見ると、白くて小さな手が俺の手を握っていた。




「ゆ……」




『黙ってる。




だから思ってること吐き出せ』





ぎゅっとそれっきり口を噤んだ由薇の手は力がこもっていて、どうも逃がしてはくれないようだ。





何分か待ったが、終わらなさそうな沈黙に観念した俺は目を閉じてぎゅっと手を握りながら口を開いた。






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