冷たい世界の温かい者達






お袋の背中が微動だにしないことが、何よりの証拠だと。















ーーー勝手に、思い込んでた。














「何、で……」




「……別に。 聞いただけ」






少しでも由薇の言葉に甘えた俺が弱くなってたのか。




自嘲気味な笑みが零れて、自分はもうこの人の愛する子どもじゃないことを知った。

















「愛してるに、決まってるじゃない…‼」










ストーブも何もついてない冷たいこの部屋に響いたその声は俺の足を止めるには十分な威力を持っていた。







「成一が初めて帰って来なかった時、どうしようもなく悲しかった……‼




今まで放っておいたのは私なのに、どうしようもなく胸が痛んだ…‼






貴方は私の息子なのよ……っ








愛してない訳ないじゃない……‼」















ふとダイニングテーブルを見ると、ラップに包んであるハンバーグが置いてあった。



サラダとご飯も。






「何で……」






生ゴミ専用のゴミ箱を見れば、いくつもの種類の異臭がするおかず達。








「貴方の帰りをずっと待ってた……‼」










あぁ、








全部、俺の勘違い。












『勘違いも甚だしいな』









その通りだよ。







「……ごめん」





呟いた言葉と共に零れた涙は、お袋の温かい手がそっと掬ってくれた。








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