冷たい世界の温かい者達
「イカ焼きー!」
……何故こんなバカらしい単語が衣緒の口から出てるかって?
それは、今初詣に来てるから。
『人多……』
嫌そうに呟く由薇は厚手のジャンバーを着ていて、その上にマフラーと手袋までしている。
そこまで防寒しても由薇は寒い寒いと小さい声で呟いていて五月蝿い。
「流石に少し混むねー、ここでも」
夏祭りの時と同じ神社に来た俺達はさっきまで完全に子どもに囲まれていた。
前におもちゃをやったのを覚えてるのか、期待を目に浮かべながら寄って来た。
まぁ、今日は何も無かったので丁寧に断ることしかできなかったが。