冷たい世界の温かい者達
見慣れた黒の髪の毛が見えて上がった息を隠しながら腕を引っ掴んだ。
「由『鬱陶しいな‼』
突然叫んだ由薇の声がとてもじゃないがいつもの落ち着いた由薇の声に聞こえなかった。
『何なんだよ、お前。
何勘違いしてんだよ。
こっちは仕事がくるまでの暇潰しで高校に行ってたし、お前等とつるんでたんだよ。
自惚れてんじゃねぇよ。』
由薇の声は激しい怒りを訴えているように聞こえたけど、俺はどうしても違うと思えた。
『足でまといなんだよ。
二度と、近づくな』
手を振り払って柵を超えて飛び下りた由薇は下に待機させていたらしい黒塗りの車に乗り込んで去って行った。
そんな理由
「……認めると思ってんのかよ」
力づくでも何でもいい。
あいつの役に立てるなら。
頭を下げてやってもいい。