幸せの掴み方
圭祐は、退社後、同期の金沢 陽介に、無理やり社内の合コンに
連れて来られた。

「お前を連れて来るように、先輩達に言われてんだよ!!」

「俺は、餌か!! 全く、俺なんかいなくても、合コンは出来るだろうに!」

そう、圭祐は、陽介に怒ったが、仕方なく合コン会場へやって来た。

そこには、明らかに、今日の合コンに気合が入ってますとばかりの
女性ばかりだったが、一番奥に、人数合わせで連れて来られました
とすぐにわかる女性がいた。

その子は、今年の新人で、総務に所属する子だった。

一つ、一つのパーツは整っているのに、明らかに地味を目指してます
とばかりに、黒髪を一つに縛り、黒縁のメガネをかけている・・・・

実は、圭祐は、メガネフェチで、そんな柚葉の姿に興味が沸いた。

圭祐は、今は特定の彼女はおらず、セフレが何人かいる状態を
社会人になってから続けている。

彼女を作ると、拘束されたり、独占欲丸出しにされるのに嫌気が差し
いつも最後は、泣かれて別れるの繰り返しだった為、付き合うのが
面倒になり、今はセフレだけの関係の女性が何人かいる事で
快適な生活を送っている。

そんな圭祐は、久しぶりのターゲットを見つけたのだ。

柚葉の様子を窺っていると、あまり男に慣れていないらしく、壁の花
となって、様子を窺っている所を、俺は、柚葉に近づいた。

何気に柚葉との会話に、柚葉の初々しさが気に入り、もう少し
一緒にいて、持ち帰ろうかと思案していると、トイレに行く振りを
しながら、柚葉は、帰ってしまった・・・・・。

俺は、今まで、自分から声をかけた女に、逃げられたことはなく、
逃げられたのは、柚葉が始めてだった。

俺は、急いで、陽介に帰ることを告げ、柚葉を追った。

「帰るの?」

「あっ・・・はい・・・すみませんお先に失礼します・・」

そう答えた柚葉に、苛立ち、俺は、柚葉を誘った。
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