幸せの掴み方
麗美が出て行ったあと、相場が、

「しかし、酷い女に気に入られましたね・・・・クククッ・・・・」

「お前、俺の事、楽しんでいるだろう!?」

「まぁー、所詮、他人事ですから・・・・・クククッ・・・・」

圭祐は相場に、呆れながらも、麗美の放った言葉が、胸に突き刺さっていた。

『好きでもないのに』・・・・この言葉は、圭祐の胸を抉った。

圭祐は、柚葉の事を、本当にどう思っていたのだろうか・・・・・

湊と一緒にいた柚葉を見た時、腸が煮え返るような憎しみを感じたが、
柚葉との離婚を引き金に、自分はかなり歪な人間なのではないかと
考えるようになっていた・・・・・


「なぁー、相場、どこか信用できる心療内科の先生、知らないか?」

「どうしたんですか!?急に?」

「否、最近の揉め事で、だいぶ疲れているようなんだ・・・・」

「なら、いいとこ知ってますから、私の方で連絡入れておきますから
 言ってみてください。
 確かに、専務の今様子は、かなりご自分の感情を持て余しているように
 思われます・・・・」

相場にそう言われ、改めて自分の感情と向き合ってみようと、
また何故、柚葉が麗美の事を聞いてこなかったのか・・・・
考えてみようと思った。
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